指揮棒 コルクの物語

指揮棒 コルクの物語

コルクグリップができるまで:自然素材と職人技のストーリー

PICKBOYの指揮棒に使われているコルクグリップ。
その原料である「コルク」は、持続可能な素材として世界中で注目されています。
このページでは、コルクの採取から加工、グリップ成形までの工程をご紹介します。

コルク農場とその周辺環境

コルクの原料となるのは、地中海沿岸地域に広がる「コルクガシ(Quercus suber)」という木です。
これらの木は伐採されることなく、9〜12年ごとに再生可能な樹皮が収穫されます。一本の木が数十年、時には数百年にわたって利用される、まさに持続可能な資源です。

とくにポルトガル南部やスペインでは、広大なコルク農園のまわりに豊かな自然が広がっています。丘陵地帯と地中海性気候のなか、野生動物や希少な植物が共存する生態系が守られており、イベリアオオヤマネコなどの絶滅危惧種も生息しています。

コルクの木は、炭素吸収や土壌保全の面でも環境に優れています。農村地域の経済を支える重要な存在でもあり、コルクの生産やエコツーリズムを通して地域社会に貢献しています。

コルク農場の風景

加工前のコルク樹皮

樹皮の収穫後、コルクはすぐに加工されるわけではありません。
まずは自然のままの状態で数ヶ月寝かせて、湿度を安定させ、不純物を取り除く工程が行われます。これによって品質が均一になり、のちの加工にも適した状態になります。

収穫された樹皮は、通気の良い屋外に積み重ねて保管されます。地面から少し浮かせた形で並べることで、湿気や汚れから守られます。乾燥と平滑化がゆっくりと進むこの工程は、コルク本来の特性を引き出すために欠かせないプロセスです。

収穫後のコルク樹皮の保管風景

グリップの成形と彫刻の工程

コルクが十分に乾燥し、加工に適した状態になったら、いよいよグリップの成形工程に入ります。
まずは素材を煮沸し、柔らかく均一なテクスチャに整えたのち、円柱またはブロック状にカットしていきます。

その後、職人の手や専用機械によって、一本一本グリップの形状へと仕上げられます。研磨石などを使って、滑らかで握りやすいフォルムへと整える工程は、見た目の美しさと、手に持った時の心地よさを両立させるための大切な作業です。

軽量かつ高い耐久性を持ち、自然に還る素材としても評価されるコルク。PICKBOYのグリップは、その魅力を最大限に活かしながら、ひとつひとつ丁寧に仕上げられています。

コルクグリップの加工工程

自然素材の魅力を感じたら、
PICKBOYのコルクグリップ製品をご覧ください。

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